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  • 執筆者の写真Hidamari Dr

採血、点滴が上手くなる

患者さんから、「看護婦さんは採血が上手ですね」と言われると、うれしいですよね。

点滴や採血が、上手になるポイントをまとめてみます。


1. ポジショニング(成功率 20%アップ)

病院などで採血をする時は、どうしていますか?ちょっと考えてみてください。

採血室では、看護師は患者さんの正面に立ちます。

患者さんは、腕をまっすぐに伸ばして、採血をします。

これが、採血を簡単にできて、成功の確率をアップさせる方法です。

自分の正面に、患者さんの血管が来るようにポジショニングをすることが重要です。


自宅や介護施設で採血する場合、このポジショニングができていないことがあります。

良いポジショニングができなければ、採血の難易度が高くなります。



2. 血管を探す(成功率 50%アップ)

点滴が不得意な人は、これが苦手なようです。

針を刺すのは、最後です。しっかりと血管を探しましょう。

これが、1回で成功するか、失敗してしまうかの分かれ道です。

点滴や採血が上手な人ほど、時間をかけて血管を探します。


駆血帯でしっかりと縛り、アルコール綿で消毒します。

患者さんには、軽く手を握ってもらいます。

橈側or尺側正中皮静脈や、背側中手静脈などの表皮に近い、なるべく真っ直ぐな血管を探します。


血管がすぐに見つからない場合は、患者さんに手をグーパーグーパーしてもらいます。

それでも、見つからない場合は、ぬるま湯や温めたタオルで肘や手を温めてから血管を探します。


1回で採血できそうな血管が見つかるまで、ていねいに探してください。

これが最大のポイントです。


上級者向け

橈側・尺側正中皮静脈は、肉眼で見つけることができなくても、駆血帯を縛った後に指で触ると、確認できることがあります。


3. 血管を触ってみる(成功率 10%アップ)

採血する前に、自分の指で患者さんの血管を触ってみます。

患者さんの血管の深さや大きさ、硬さを確認します。

血管が表皮近くにある場合と、やや深めに血管がある場合では、どれぐらい針を進めればいいかが違ってきます。穿刺する前に、指で深さを確認しましょう。


実際に触って、血管の硬さを確認することも大切です。

高齢者や抗がん剤治療を行なっている患者さんでは、血管が硬くなることがあります。自分の指で、血管を押して弾力を確認しましょう。ちょっと硬めの血管は、ゆっくりと穿刺しても採血できます。硬めの血管は、思い切って早めのスピードで穿刺しないと失敗することがあります。


4. 再度、自分と患者さんのポジショニングを確認する(成功率 10%アップ)

再度、自分の位置、患者さんの腕の位置を確認します。

次に、自分の体を安定させて、患者さんの腕を固定しましょう。


穿刺する直前に、患者さんの血管を固定するします。

患者さんの皮膚を引っ張って、押し付けるようにするとある程度血管が固定できます。

血管が固定できると、硬い血管でも穿刺ができるようになります。


5. 穿刺する(成功率 10%アップ)

皮膚にテンションをかけた状態で、穿刺します。

刺入時は、やや角度をつけて。30度ぐらいの角度が一般的です。

表皮近くの血管の場合は、最初から10度ぐらいの穿刺角でアプローチします。


血管内に針先が入ると、「プツッ」という感覚があります。

針先が入れば、針を寝かせて(約10度)、さらに2-3mm針を進めます。


1度の穿刺で血管内に到達できない時には、針を少し戻して血管内に留置するようにします。針を全部抜いてしまうと患者さんはまた痛い思いをするし、その血管に再度アプローチが難しくなることがあるからです。


6. 自信を持つ

「点滴なんて簡単よ」、ぐらいの気持ちで、望むこと。

緊張しすぎると、なんでもうまくいきません。


7. 普段から、血管を探す

点滴が上手な人は、普段から血管を探しています。更衣の時や、入浴後などに血管を観察しておけば、必要な時にあわてて探す必要はなくなります。


点滴、採血は難しくありません。

1回で成功できるようになるまで、練習あるのみです。

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