EBMもコロナウイルスももうたくさん。
世界で一番簡単な疼痛コントロールのまとめ。
ゴールを設定する
痛みを評価する
鎮痛薬について知る
痛みの原因について考える
その後

1 Goalを設定する
「痛みは自制内です」はもう使わない(使う人はほとんどいなくなった)。
・痛みで夜眠れない → 眠れるようにする 第1目標
・じっとしていても痛みがある → 安静時に痛くない 第2目標
・動いた時に痛みがある → 体動時の痛みをコントロールする 第3目標
痛みを全てなくすことを目標としない。
患者さんごとに、ゴールは異なる。
患者さんが望むゴールを設定する。
第2目標がゴールになることが多い。第3目標をゴールに設定する場合は、眠気などの副作用が問題となることがある。
「痛みがなくなったら、何をしたいか?」を共有することも重要。
2 痛みを見極める
PQRSTによる痛みの評価があります。
あまり馴染みがないのか、PQRSTによる痛みの評価を聞くことは少ない。
じゃあ5WHは知ってる?
いつ、どこで、誰が、何を、どうしたの略語です(when, where, who, what, how)。
ビジネスで報告するべき項目として、よく使われる5WH。
この5WHを痛みの評価に応用してみよう。
when いつ痛くなるか、持続的な痛みか
where どこがどれぐらい痛くなるか
who 誰が心配なのか? 患者さん、家族、看護師?
what 何が障害されているか?
how どのような痛みか
どうすると楽になるかor 増悪するか
放散痛はあるか?
毎回の訪問時に確認する必要はないが、痛みが強い時やオピオイドが効きにくい時には、確認してみましょう。
3 鎮痛薬
食べられない ≠ 点滴
発熱 ≠ 解熱剤
ですよね。同じように、
がん ≠ 痛み ≠ 麻薬
です。
鎮痛薬の種類
アセトアミノフェン:副作用が少なく使いやすい
NSAIDs :投与回数を減らしたいとき、炎症があるとき
オピオイドの種類
オピオイドの種類は増えてきている。
とりあえず、塩酸モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルで十分。
これらの長所を覚える
塩酸モルヒネ:昔からある、様々な投与方法が可能、副作用として眠気、便秘
オキシコドン:1日2回の内服で良い
フェンタニル:1日1回の貼付で良い 眠気は1週間程度で軽減
4 痛みの原因について考える
痛みには、身体的苦痛、社会的苦痛、心理的苦痛、スピリチュアルペインがあると言われています。
身体的苦痛には、オピオイドが有効です。しかし、それ以外の苦痛に対してはオピオイドは効果が乏しいです。
オピオイドを増量しても、苦痛や疼痛の軽減が少ない時には、他の原因について考えましょう。
5 疼痛コントロールのその先にあるもの
疼痛をコントロールすることだけが、緩和ケアの目的ではありません。
痛みが軽減して、その後どう生活するか、どう生きるかを支えるのが本当の目的なのではないでしょうか。
がんになったことを悔やまない
死に対する恐怖を軽減する
生きることの意味を考える
どれも立派な緩和ケアだと思います。
疼痛コントロールだけに注目するのではなく、その先のケアを大切にしましょう。
Comments